プロフィール:
北海道札幌市のイメージナビ株式会社のエンジニアによるブログです。
実績紹介、技術情報などを不定期ですがポストしていきます。
よろしくお願いいたします!

カテゴリー別アーカイブ: レポート

前回はさくらのVPSをLinux環境で利用してみました。今回は他の使い方をしてみたいと思います。

■Windowsもインストール可能?
さくらのVPSでは標準のCentOSの他にカスタムOSのインストールが出来るようになっています。つまり、ISOイメージからブートしてOSをインストールすることが可能になっています。しかも仮想コンソール画面で起動時の画面も操作できるようになっています。ということはWindows系OSも頑張ればインストール出来るのではないか?と思って調べてみると、公式にはサポートしていないようですがWindowsもインストール可能なようです。そこで試しにWindows Server 2012 R2 64Bit版をインストールしてみました。

 

■インストール
OSインストール時にカスタムISOを選択すると、このようにISOイメージをアップロードする場所の指定がありますのでISOイメージをアップロードし、そこから起動します。

sakura_vps_15033101

ここで注意が必要なのは「VirtIOを有効にする」のチェックを外して無効にしないとインストール先のHDDが見えませんので、VirtIOを無効にしてインストールを開始します。

sakura_vps_15033103

インストールが始まると、あとは普通のWindowsのインストール画面になりますので画面の指示に従ってインストールを続けます。数分で無事にインストールが完了しました。

sakura_vps_15033104

 

■VirtIOでパフォーマンス向上
さくらのVPSはVirtIOに対応しています。VirtIOを有効にするとディスクやネットワークのパフォーマンスが大幅に向上するので是非使いたいところですが、そのままでは利用できません。有効にするにはVirtIOのドライバが必要となります。

・VirtIOドライバダウンロード
http://alt.fedoraproject.org/pub/alt/virtio-win/latest/images/

VirtIOドライバはWindowsには標準で組み込まれておりませんのでOSインストール時に読み込ませる必要がありますが、さくらのVPSコントロールパネルではOSインストール時にディスクイメージの入れ替えは出来ないため、このドライバをインストール出来ません。
そのため、VirtIOを有効にしたい場合はあらかじめVirtIOドライバを組み込んだOSインストールイメージを作成する必要があります。今回はドライバを組み込んだISOイメージを作成してインストールしました。

sakura_vps_15033102

インストールの途中でWindowsのインストール場所を選択する際に[ドライバーの読み込み]でVirtIOドライバを読み込ませます。そうするとインストール先のドライブが表示されるようになるので場所を選択し、後は普通にインストールを進めていくだけで問題なく完了します。

sakura_vps_2015033106

VirtIOを有効にした場合、デバイスマネージャーではこのような表示になります。

sakura_vps_15033105

 

■ベンチマーク
では実際にWindows環境でどの程度のパフォーマンスに差が出るのかベンチマークを取ってみました。VPSのスペックは3CPU、メモリ2GB、SSDが50GB、いわゆる2GBのSSDプランです。
 

[CrystalDiskMark 3.0.3]

VirtIO 無効 VirtIO 有効
Sequential Read : 427.990 MB/s 1632.025 MB/s
Sequential Write : 409.387 MB/s 1082.281 MB/s
Random Read 512KB : 364.889 MB/s 1119.923 MB/s
Random Write 512KB : 398.414 MB/s 885.433 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 13.755 MB/s [ 3358.1 IOPS] 20.419 MB/s [ 4985.0 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 14.549 MB/s [ 3552.0 IOPS] 21.482 MB/s [ 5244.6 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 16.381 MB/s [ 3999.2 IOPS] 56.377 MB/s [ 13763.9 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 18.570 MB/s [ 4533.7 IOPS] 53.137 MB/s [ 12973.0 IOPS]

* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s]

 

さくらのVPSに限らず他のVPSやクラウドでもそうですが、KVMの仕様からエミュレートするチップセットはノースブリッジがIntel440FX、サウスブリッジが82371SB (PIIX3)という懐かしい組み合わせになるようです。ですが、このチップセットの性能(FSB:100MHz、メモリ:800MB/s、ストレージ:33MB/s)で頭打ちになることはないので特に気にする必要はないようです。ちなみにCPUだけはIntel Xeon E5-2650v2 2.6GHzとなっており、ホスト機のものがそのまま表示されています。

話を戻して、VirtIOが無効でもそこそこの性能は出ていますが、有効にすることでディスクのパフォーマンスが一気に上がりますので出来れば有効にして使いたいところです。今回は計測していませんがネットワークドライバもVirtIOに変えることでパフォーマンスが大幅に向上するようです。

 

■まとめ
サポート外ながらもさくらのVPSでWindowsを利用することが出来ました。クラウド系のサービスにはリモートデスクトップのサービスがありますが、月額だとそれなりの価格になってしまいます。OSのライセンスが必要になるものの、VPSにWindowsをインストールして低価格なリモートデスクトップとして使うのも面白いかもしれません。

※注)ハードウェアスペック、ベンチマークの結果は2015年3月に使用した時のものであり、これを保証するものではありません。また、Windows等の未サポートOSのインストールは自己責任でお願いいたします。

 

この記事に関するご感想、その他ご用命などございましたら、こちらよりお願いいたします。

AWSやAzureなどのクラウドサービスは柔軟に大規模な構成まで組めるのが魅力ですが、その反面サーバーが1台~数台だけ必要な場合には従量制であることもあって費用が割高になることがあります。かといって、共用レンタルサーバーでは費用は低く抑えられるものの、複数ユーザーとの共用環境になってしまうので自由な運用が出来ない、パフォーマンスに問題が出るなど不便な面が目立ちます。そこで、費用をそこそこに抑えつつ比較的自由な運用ができるVPSの出番となります。

 

■VPSとは
VPS(virtual private server)と呼ばれる仮想サーバーです。提供されているサービスにもよりますが、管理者権限はもちろんOSを再インストールすることも可能なサーバー環境で、オンプレミス環境や専用サーバーのような自由度の高い運用が可能になります。

今回は数あるVPSサービスの中から、さくらインターネットの「さくらのVPS」を利用してみました。

sakura_vps_20150202

 

■メリット
さくらのVPSのメリットはなんと言っても手ごろな料金とスペックではないでしょうか。AWSやAzureの同等インスタンスと比べて約1/2~1/3程度の料金です。最低プラン(1CPU、MEM:512MB、SSD:20GB)だと月額635円という低料金です。流石にこのスペックでは少々厳しい面もあるので上のプランを選ぶことが多いと思いますが、2つ上のプラン(3CPU、MEM:2GB、HDD:200GB or SSD:50GB)でも月額1,580円という非常にコストパフォーマンスのよい料金になっています。もちろん定額制なので後から稼働時間や転送量といった課金は発生しません。
VPSなので管理者権限もありますし、CentOS(5/6/7)を始め、Ubuntu(12.04/14.4)、FreeBSD9.3、Debian(6/7)、Fedora19など様々なOSをインストール出来るようになっています。
また、さくらのVPSはさくらのクラウドへのマイグレーションが可能となっていますので、将来的にVPSでは不足するような時にも安心かと思います。

 

■デメリット
さくらのVPSでは契約時にスペックを決めると後から変更はできません。どうしても変更したい場合は新たなVPSを契約して移行するか、さくらのクラウドへ移行することになります。
ただし、本契約の前に2週間のお試し期間がありますので、その間にスペックが足りるかどうかは十分検証できるのではと思います。お試し期間中は若干の制限があり、メール送信用のポートが閉じられていたりネットワークに帯域制限がかけられていますので注意が必要です。

 

■実際に使ってみました
早速さくらのVPSの2GBプラン(HDD)をお試し期間に利用してみました。
ブラウザ上でコントロールパネルからVPSサーバーの起動停止や設定を行うことができ、コンソール画面も開くことが出来ます。また、CPU使用状況、トラフィック、ディスクI/O状況のグラフを見ることも可能です。

sakura_vps20150201

 

まずは試しに自社内のVMWareESXi4.0上で稼働している仮想サーバーの1台をVPSへ移設してみました。
移行元の環境は小規模なeコマースサーバーを想定したもので、CentOS、MySQL、Apache、EC-CUBEとなっています。移行とはいいましたがVMWareESXiのイメージをそのままインポートすることは出来ませんので、VPSサーバーにMySQL、Apache、EC-CUBEをインストールし、そこに設定とデータをコピーしました。よくあるサーバー移行作業のような感じです。OSは最初から標準のCentOS6 64bitが入っていますのでそのまま使用しました。

結果は…当たり前といえば当たり前ですが、従来環境と遜色なく普通に利用できました。

sakura_vps20150203

 

VPSホストのハードウェアスペックについては公表されていませんが、/proc/cpuinfoを覗いてみるとCPUはXeon E5-2640 2.5GHzとなっていました。ホスト機のCPUがそのまま表示されているようです。スペック的には全く問題ありません。

※HDDプランの場合
[root@tk2-xxx-xxxxx ~]# cat /proc/cpuinfo | grep “processor\|model name\|MHz”
processor : 0
model name : Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2640 0 @ 2.50GHz
cpu MHz : 2499.998
processor : 1
model name : Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2640 0 @ 2.50GHz
cpu MHz : 2499.998
processor : 2
model name : Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2640 0 @ 2.50GHz
cpu MHz : 2499.998

 

懸念していたディスクのI/O性能も十分過ぎるので、ここがボトルネックになるようなことも無さそうです。

※HDDプランの場合(5回連続で実行した結果を抜粋)
[root@tk2-xxx-xxxxx ~]# hdparm -t /dev/vda
/dev/vda:
Timing buffered disk reads: 1362 MB in 3.00 seconds = 453.60 MB/sec
Timing buffered disk reads: 1418 MB in 3.00 seconds = 472.39 MB/sec
Timing buffered disk reads: 1404 MB in 3.00 seconds = 467.27 MB/sec
Timing buffered disk reads: 1422 MB in 3.00 seconds = 473.81 MB/sec
Timing buffered disk reads: 1406 MB in 3.00 seconds = 468.64 MB/sec

 

HDDだけではなくSSDプランもあります。もしI/O性能が必要な場合は最初からSSDプランを選ぶと良いでしょう。

※SSDプランの場合(5回連続で実行した結果を抜粋)
[root@tk2-xxx-xxxxx ~]# hdparm -t /dev/vda
/dev/vda:
Timing buffered disk reads: 2466 MB in 3.00 seconds = 821.75 MB/sec
Timing buffered disk reads: 2650 MB in 3.00 seconds = 883.15 MB/sec
Timing buffered disk reads: 2638 MB in 3.00 seconds = 879.30 MB/sec
Timing buffered disk reads: 2634 MB in 3.00 seconds = 877.81 MB/sec
Timing buffered disk reads: 2590 MB in 3.00 seconds = 863.02 MB/sec

 

ちなみにSSDプランのcpuinfoはこうなっていました。CPUは一世代新しいXeon E5-2650v2 2.6GHzでした。

※SSDプランの場合
[root@tk2-xxx-xxxxx ~]# cat /proc/cpuinfo | grep “processor\|model name\|MHz”
processor : 0
model name : Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2650 v2 @ 2.60GHz
cpu MHz : 2599.998
processor : 1
model name : Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2650 v2 @ 2.60GHz
cpu MHz : 2599.998
processor : 2
model name : Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2650 v2 @ 2.60GHz
cpu MHz : 2599.998

※注)料金やハードウェアスペック、ベンチマークの結果は2015年2月に使用した時のものであり、これを保証するものではありません。

 

あと、VPSにはファイアウォール機能がありませんので、OS側でしっかりと対策を取ることが必要です。例えばsshはポート番号を変更の上、IPアドレス制限や鍵認証などを併用するとよいでしょう。

安定性については長期的に使用してみないことには解りませんが、試した範囲ではレスポンスが悪くなったり、応答が無くなったりといったことはなく、ごく普通に安定している印象を受けました。

 

■バックアップ
クラウドではインスタンスのスナップショットやディスクイメージを簡単に作ることが出来るので万が一の時に備えることも容易ですが、残念ながらVPSにはその機能はありません。バックアップはオンプレミス環境同様の対策を取る必要があります。さくらのVPS利用者の中でよく使われているMondoRescueでディスクイメージを作成する方法や、試したことはありませんがDropbox、AmazonS3にバックアップしている例などもあるようです。
今回はcronとscpを用いて必要なディレクトリを別サーバーに保存するという単純な方法をとりました。効率は良くありませんが最低限のバックアップは取れるかと思います。

 

■まとめ
APIを用いてサーバーを操作したり負荷に応じて動的にサーバを上げたり落としたり…というようなクラウドならではの使い方はVPSでは出来ませんが、1台~数台のサーバーで賄えるサービスを展開する場合には有力な選択肢になるのではないでしょうか。ちょっとしたテスト環境として使うのもいいかもしれません。
今回は試していませんが、VPSでもローカルネットワークを構成して複数台でスケールアウトするような凝った構成ももちろん可能です。

こういったサーバーのサービスにはレンタルサーバー、VPS、クラウドなど様々なサービスがありますので、状況に応じて最適な選択をするのがポイントとなりそうです。

 

この記事に関するご感想、その他ご用命などございましたら、こちらよりお願いいたします。

2014年10月30日にAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の無料クラウドカンファレンス「AWS Cloud Roadshow 2014 札幌」が札幌プリンスホテルで開催されました。

このカンファレンスは札幌(10/30)から始まり、福岡(11/6)、名古屋(11/25)、大阪(12/2)で開催されています。
北海道エリアでは初めてとなるAWSカンファレンスで、AWSの導入事例や技術的な話、開発での活用方法などを直に聞けるチャンスなので参加してきました。来場には事前登録が必要ですが参加費用は無料です。

 
201411141
 

午前のセッションは基調講演とスペシャルセッションとして北海道での導入事例紹介、午後はユースケーストラック(4セッション)とテクノロジートラック(4セッション)に分かれての講演となっていました。各セッションとも満員で道内でもAWSクラウドの注目度が高まっていると感じました。

 

■AWS利用実績は2万社以上
最初の基調講演ではクラウドを利用するメリットと導入事例の紹介がありました。AWSは日本では既に2万社以上での利用実績があり、利用方法も既存のオンプレミス環境をクラウドに移行したり、クラウド上でデータを解析・需要を予測、大手のプライベートクラウドを丸々移行など様々な実績があるとのことでした。
 
こうしたクラウドへの移行でAWSが利用されるのはこのような理由からのようです。
・顧客のフィードバックに基づくイノベーションのペース
・高いセキュリティ
・運用不可の軽減
・コスト削減、低コスト
 
また初期投資が不要、リソースの調達・変更に時間がかからないため失敗のコストが下がり、手軽に「トライ」が可能になってビジネスが加速できるのも大きなメリットです。弊社でもAWSを利用しているのでこのメリットは大きいと実感しています。

aws-logo

■酪農とクラウド
導入事例では北海道の株式会社ファームノートさんの牛個体管理アプリの紹介がありました。酪農家の減少と大規模化が進み、個体管理が煩雑になっている現状を改善するためのシステムを構築するにあたりAWSを利用したとのことでした。酪農とクラウドの組み合わせというのは北海道らしい事例だと思います。
 
AWSを利用した理由は下記にあるようです。
・運用管理コストを極限まで押さえられる
・容易にスケールできる環境がある
・導入事例あり
 
このアプリは飼育頭数により料金が変わりますが100頭未満は無料とのことでした。料金を抑えることができたのもAWSのクラウド化のおかげではないでしょうか。ゆくゆくは世界展開もしていくというお話しでした。

 

■セッション
午後のセッションはユースケーストラックとテクノロジートラックに分かれており、ユースケーストラックではクラウド環境構築時に役立つデザインパターンや、開発者がAWSを利用するメリット、活用方法や利用テクニックなど実際に利用する上での具体的な話題となっていました。

 
201411142
 

テクノロジートラックでは、AWSは安全なのか、コストはどのくらいかかるのか、オンプレミス環境に比べて遅くないのか等のこれからクラウドを利用するにあたっての初歩的な疑問点から、新しく利用できるようになったサービスや機能についての紹介、利用例などの話題となっていました。

AWSをこれから利用する人、既に利用している人、利用しているけどよく分からない人など、それぞれのケースに合わせて興味のあるセッションを選ぶことが出来たのはよかったと思います。

残念ながら会場内は撮影禁止だったため写真で雰囲気をお伝えすることは出来ませんが、どのセッションも興味深くとても勉強になるイベントでした。

 

■おみやげ
帰り際、受付でアンケートに答えると景品がもらえました。いくつかのノベルティグッズの中から好きな物を1点選べるということでしたのでAWSロゴ入りマグボトルを選びました。AWSと共に活用していきます。

 
201411143
 

■最後に
札幌と福岡は既に終了していますが、名古屋と大阪はまだ間に合いますので近隣にお住まいでクラウドやAWSに興味のある方は是非参加してみてはいかがでしょうか。

 

この記事に関するご感想、その他ご用命などございましたら、こちらよりお願いいたします。